「赤ら顔」体質の悩みに、漢方が効く理由

漢方

 

頬や鼻、額などが赤くなったままになる、赤ら顔は、仕事や恋愛にも影響するつらい症状です。

女性であっても男性であっても、早く元の肌に治したいと思うのは当然ですが、案外に治りにくい症状のため、中には何年もの間、病院やクリニックを転々とする方もいます。

というのは赤ら顔というものは、ニキビやアトピーなどの炎症、更年期のほてりなど、原因がはっきりわかっている場合もありますが、原因不明なまま気づいたら赤ら顔になっていたという場合も少なくないからです。

原因がわからない症状や、体質から変えないといけない症状というのは、漢方(東洋医学)にとってはどちらかといえば得意技です。その理由は漢方(東洋医学)ではあらゆる「症状」はバランスの狂いから生じるとし、生まれ持った体質のバランスの乱れを整えて、体全体の機能を正常に戻すことを大事にしているからです。

もしも、あなたが原因不明の赤ら顔や、長期間にわたって改善しない赤ら顔に悩んでいるなら、漢方薬は良い選択肢かもしれません。

今ではドラッグストアなどで気軽に買える漢方薬もあります。体質別の赤ら顔の症状とそれに合う漢方処方の知識を得て、一度、試してみてはいかがでしょうか?

 

1. 赤ら顔の原因は「血」「水」「気」の異常

1-1. 全身のバランスを整えて体質改善を図る漢方

症状と原因の因果関係を見つけて、原因への対処をすることで症状をなくすのが、西洋医学です。これによって多くの人が助かっているのですが、一方で、原因不明の症状に対しては手の打ちようがないという側面があります。

それに対して漢方(東洋医学)の基本の考えは、病気というものは体の中の「血(血液)」「水(リンパ液などの水分)」「気(エネルギー)」のバランスの崩れであると考えます。ですから、バランスを整え直せば、おのずと症状が改善するとしていて、足りないものを補う、もしくは多すぎるものを抑える漢方薬を処方することなので、本来の健康な体質に戻していきます。

1-2. 「赤ら顔」になりやすい3つのタイプ

赤ら顔赤ら顔も、血(血液)、水(リンパ液などの水分)、気(エネルギー)の異常から症状が出ているとするのが漢方(東洋医学)の考え方で、つまり血のバランスの崩れと、水のバランスの崩れ、気のバランスの崩れを整えれば、赤ら顔が改善すると考えます。

とはいっても、シンプルに血か水か気かという話ではなく、複数の異常が作用しあって症状が現れている場合も多くあります。

では、今から漢方(東洋医学)の視点から見た赤ら顔になりやすい3つのタイプと、代表的な処方をご紹介しましょう。

 

1-2-1.  血の循環が悪いタイプ<血お(けつお)>

酒さなど毛細血管が拡張による赤ら顔は、血液の流れが滞りがちな血お(けつお)タイプ。

 「酒さ」などの赤ら顔の原因の多くが血の循環の異常の「お血(おけつ)」で、血液の流れが悪いことから、熱を持ち、顔が赤くなると考えられています。

“血タイプの特徴”

  • 血液の流れが悪く、栄養が全身に届きにくいため、肌はツヤがなく乾いた印象。

  • 代謝もよくないので、傷や日焼け跡が残りやすい。

  • 肩こり、生理不順、便秘などになりがち。

【このタイプへの漢方処方】 

  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
  •  温経湯(ウンケイトウ)
  •  桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
  •  当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

※桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)のみ、クリニックでの処方箋薬あり。ドラッグストアで購入可。

 

1-2-2.  気の流れが悪いタイプ<気帯>

ニキビやアトピー、更年期のほてりによる赤ら顔は、エネルギーの流れが滞りがちな気帯(きたい)タイプ。

 エネルギーの流れがスムーズでないため、一部の部分にエネルギーが溜まり過ぎて、その部分が熱を持ち、顔が赤くなると考えられています。

“気帯タイプの特徴”

  • 全身が熱いわけではなく、手足は冷えているのに顔はのぼせるといったような状態。

  • 部分的な熱によってニキビやアトピー、更年期ののぼせ、ほてりが起こる。

  • イライラしがち、情緒不安定、頭痛、耳鳴りなどになりがち。

【このタイプへの漢方処方】

  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
  • 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
  • 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
  • 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

※どれもクリニックでの処方箋薬あり。ドラッグストアで購入可。

1-2-3. 水が足りないタイプ<陰虚>

ほてりによる赤ら顔は、水分が不足している陰虚(ききょ)タイプ。

水分が不足しているため、全体に乾いて熱を持ち、顔が赤くなると考えられています。

“陰虚タイプの特徴”

  •  午後になると熱さが増すように感じる。

  •  肌も髪も乾燥がち。手足も熱い。ほてりがある。

  •  眼精疲労、耳なり、めまい、口内炎、扁桃腺になりやすい。

【このタイプへの漢方処方】

  • 知柏地黄丸(チバクジオウガン)
  • 天王補心丹(テンノウホシンタン)
  • 滋陰降火湯(ジインコウカトウ)

※知柏地黄丸(チバクジオウガン)はドラッグストアで購入可。

 

赤ら顔のタイプ別原因について詳しい記事はこちら
【医師監修】赤ら顔の治し方!9つの赤ら顔タイプ別改善方法をご紹介

 

2. 漢方薬を用いるときに気を付けたいこと

漢方薬漢方薬というと穏やかで安全というイメージがありますが、薬ですから気を付けて使わねばなりません。そこで漢方薬を服用するときの注意点や購入の方法について、まとめてみました。

 

2-1. 気になる副作用と、その回避法

漢方薬は体にやさしいと思いがちですが、体質に合わないものを服用したときには副作用があります。

漢方の処方は複数の生薬を組み合わせることで、できるだけ効果が高く、かつ副作用を最小に抑えるように考えられていますが、それでも体に合わないものを飲んだときや、相性のよくないものを一緒に服用したときなどに副作用が出るときがあります。

例えば、桂皮が含まれる「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」は発疹やかゆみが出ることがあり、甘草が含まれる加味逍遙散(カミショウヨウサン)や十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)は血圧が上がったり、だるさやむくみが出ることもあります。

また、地黄が含まれる知柏地黄丸(チバクジオウガン)は、胃もたれや食欲不振になることがあるとされています。

副作用にならないためには、自分の体質との処方の相性、そして配合生薬が引き起こす可能性のある副作用を知ったうえで、何を服用するかを選ぶ必要があります。

~副作用を避けるために~ 

次の3つのことに気をつけましょう。

  1. 体質に合った漢方処方を選ぶ!

漢方では体質のことを証と呼びます。実証は体力のある人向けで、虚証は体力のない人向けです。同じ赤ら顔で<血おタイプ>であったとしても、証が違うと合う処方が変わります。

  2. 違う処方の漢方を一緒に飲まない!

漢方薬は基本、ひとつの処方のみを服用するものですが、もしも2つを同時に飲むとしたら、同じ生薬が重ならないことを確認してから飲みましょう。量を多く取りすぎると、副作用につながるからです。

   3.即効性のある漢方を、ダラダラ飲み続けない!

漢方薬は効果があらわれるまでに時間がかかるものばかりではありません。風邪薬や便秘対策のものなどは、即効性があるものが多くあります。これらを、予防のために長く飲み続けることは副作用につながりがちです。

また、赤ら顔対策のように、体質から改善していきたいものはやや長めの服用が必要です。とはいえ、1か月を目安に、まったく効果が感じられないなら服用を中止するようにしましょう。

2-2. おすすめの購入方法

医師漢方薬の難しさは、自分の体質と症状の見極めにあります。特に体質については、「血」「気」「水」のどのバランスが崩れているのか?と、体力の有無の組み合わせでみないといけないのでなかなかに困難です。

ですから、最初は漢方の専門家や、医師、薬剤師など漢方薬に関する知識のある方に、できれば相談した上で購入することがおすすめです。

2回目以降の購入なら、ドラッグストアやネット通販で手軽に購入するといいかもしれません。

 

2-3. 通販で買える漢方薬局

漢方薬に詳しいお医者さんや漢方の専門家が近くにいないという場合は、電話やメールで相談に乗ってくれる漢方薬局もあります。

~電話相談窓口のある漢方薬局~
世伸堂薬局 http://www.seisindou.jp 0120-225-882 新潟県上越市
坂本薬局 http://www.kanpousakamoto.jp 055-222-7018 山梨県甲府市
赤尾漢方薬局 http://yakuzenyu-yu.co.jp 0773-42-0429 京都府綾部市
シンバシ薬店 http://www.a-kanpou.jp 0120-0955-84 大阪府東大阪市
誠心堂 http://www.seishin-do.co.jp 0120-808-904 千葉県市川市

2-4. 通販で手軽に購入できる漢方配合のスキンケア

漢方は服用するだけではありません。赤ら顔のための塗る漢方もぜひ、併用してみましょう。

2-4-1.  ニキビや湿疹のある赤ら顔、炎症のひどい赤ら顔におすすめ!!

紫雲膏

漢方の塗り薬の中ではポピュラーなもので、いろいろな製薬会社が販売していますが、紫根、当帰の他に、豚脂、蜜ろう、ごま油などが使用されていますが、各成分の配合量は各社ごとに違います。

紫色が特徴のクリームで、デメリットはベタつき感。豚脂を使うためニオイが気になるという方もいます。

紫雲膏

 

【第2類医薬品】ウチダの紫雲膏 50g

 50g ¥ 1138 (税抜)

 

2-4-2. 毛細血管が透けて見える赤ら顔、炎症のあまりない赤ら顔に!!!

白漢しろ彩  

赤みを減少させる成分や血行を促す漢方薬配合の、赤ら顔の方のための化粧水とクリーム。

しょうが根エキス、甘草、ブリョウ、センキュウなど、昔から血行促進やデリケート肌を守る成分を配合。セラミドも配合されていて、敏感肌の方にもおすすめ。購入は通販のみで可能で、電話でカウンセリングも受けられます。

白漢 しろ彩 ローション

100ml 5,600円 (税抜)

しろ彩クリーム

白漢 しろ彩 セラミドリッチクリーム

30g 7,400円 (税抜)

 

最後に

赤ら顔を早く治したいと思いながらも、治療結果がなかなか出ないときや一時的に改善した症状が何度もぶり返してしまうとき。なんだか出口のない迷路に迷い込んだような不安を覚えると思います。

漢方薬は治るまでに時間がかかるといわれていますが、症状や体質にぴったりあえば案外に早く改善することもあります。

一定期間服用後に症状を見ながら処方や配合を少しずつ変えてベストの処方を見つけていくのが、漢方薬との正しい付き合い方ですので、信頼できるお医者さんや漢方薬局など漢方に詳しい方を見つけて、赤ら顔になる体質そのものの改善をぜひ、目指してみてください。