医師によっても診断結果が異なることもある原因不明の皮膚疾患である「酒さ」。
原因が明確に解明されていないからこそ、日常的に使用する化粧品について悩むことも多いですよね。
酒さで塗り薬や内服薬を処方されているけど、化粧品も使いたい。
そもそも酒さだけど化粧品は使っていいの?使うとしたらどうやって選べばいいの?とお困りかと思います。
そこで酒さの方の化粧品の選び方や、基礎化粧品、メイクアップ化粧品それぞれに対しての考え方とおすすめの化粧品をご紹介します。
目次
1. 酒さは化粧品を使っていいのか?
酒さ原因が明確に解明されていない慢性疾患です。
ですが酒さを引き起こすきっかけとして考えられている一つに、刺激とアレルギーも関係しているとも言われています。
肌になんらかの刺激が与えられたときや、髪やタオルなどによる接触性の皮膚炎のほか、化粧品かぶれ、日光アレルギーや金属アレルギー、食物アレルギーなどの炎症も酒さの要因になるとも考えられているようです。
そのため、日常的に使用する化粧品によって悪化させてしまうことも十分に考えられるのです。
また、酒さの症状は程度によって、3段階に分けられています。
1度から3度の3段階に分かれていて、その段階によっては化粧品をすべきではない方もいます。
そこで、酒さ症状段階に合わせた化粧品についての考え方をご紹介しますので、医師に相談しつつ参考にしていただけたらと思います。
1-1. 紅班性酒さ(1度)
症状
酒さは、鼻、額、頬などに原因不明の赤みが表れ、なかなか消えないことから始まります。
拡張した毛細血管が肌の上から透けて見えることや、ほてりを感じることがありますが、症状としてはいちばん軽いものです。
化粧品
紅班性酒さ(1度)は、毛細血管の透けやほてりなどの症状が主なので、肌表面に肌荒れ症状が見られないため、基礎化粧品やメイクアップ化粧品は使用できる段階です。
ですが、酒さは非常に敏感な肌状態のため、選ぶ際には敏感肌向けの肌にやさしい化粧品を選びましょう。
1-2. 酒さ様ざ瘡(2度)
症状
紅班性酒さ(1度)に加えて、湿疹が表れるのが酒さ様ざ瘡(2度)です。
一見すると大人ニキビのように見えます。化膿して膿疱ができることもありますし、この頃になると症状の表れる部位が拡大していきます。
化粧品
酒さ様ざ瘡(2度)は赤みに加え、赤い発疹が鼻、頬、額、顎などに現れる段階なので、化粧品に対しては注意が必要です。
赤い発疹ができている肌は脂っぽい肌状態になることが多く、油分の多い化粧品などの使用により悪化させてしまうこともあるため、部分的に化粧品を塗り肌に刺激がないかなど確認した上で使用することをおすすめします。
1-3. 鼻瘤(3度)
症状
鼻瘤(3度)は、膿疱が悪化して、鼻にボコボコとしたコブができた状態です。
鼻全体が赤くなり、毛孔は開き、炎症を繰り返すことで、肌が固くなります。
鼻瘤は遺伝体質、血管運動神経の障害、脂漏が原因で、飲酒や胃腸 トラブルが誘因になるとされています。
化粧品
炎症がかなり進行している状態なので、基本的には化粧品全般の使用はおすすめできません。
医師に相談した上で、処方された塗り薬や保湿剤などで肌を整えるようにしましょう。
2. 酒さの化粧品の選び方
化粧品の中には、肌を整えるスキンケアなどの基礎化粧品と、肌を綺麗に見せるために使用するメイクアップ化粧品があります。
それぞれの化粧品によって役割は大きく変わり、また肌に与える影響もあるため、選ぶ際のポイントをご紹介。
2-1. 基礎化粧品を選ぶポイント
肌に刺激を与えない低刺激処方
酒さは炎症を伴う疾患のため、肌に刺激を与える成分が入っている化粧品は避けましょう。
《特に避けるべき成分》
- アルコール
- パラベン
- 香料
- 着色料
- 鉱物油
低下した肌のバリア機能を補う成分が配合
酒さの方は肌自体が弱り、肌のバリア機能が低下している状態です。
その肌状態を整えるために、肌のバリア機能を補う成分が配合されているかどうかもチェックしましょう。
肌の赤みをケアする成分が配合
保湿力が高い成分や、エイジングケア成分などでは赤みは改善されません。
赤みの原因に直接アプローチする成分が配合されていて、どういう作用で赤みに効果があるかなど記載されているものを選びましょう。
肌への浸透力が高い
いくら肌に効果的な成分がたくさん入っていても、肌に浸透していかなければ、意味がありません。
しっかりと効果的な成分を肌に浸透させてくれるというのも重要です。
2-2. メイクアップ化粧品を選ぶポイント
肌に負担をかけにくい敏感肌向けのもの
メイクアップ化粧品でも、敏感肌向けの化粧品は多くあります。
敏感肌向けの化粧品は肌に負担をかける刺激を与えやすい成分を排除して作られているものも多いため、何を使ったらいいのかわからないという時は、敏感肌向けの低刺激処方のものを選びましょう。
油分が比較的少ない
酒さは症状段階によって発疹などができることもあり、肌が脂っぽくなりがちです。
そこに油分が多いクリームファンデーションやリキッドファンデーションなどを使用してしまうと悪化させてしまう場合もあるため、油分が少なめのファンデーションやオイルフリーの下地を使用するようにしましょう。
乾燥しにくい
油分が少なめの化粧品を選ぶべきと言っても、乾燥してしまうのはNGです。
酒さにおすすめのファンデーションとして、天然成分100%で肌にやさしいからとミネラルファンデーションが紹介されているサイトなども見かけますが、ミネラルは皮脂を吸収して密着する性質があるために、物によっては乾燥してしまうこともあります。
肌にやさしいと言われている下地やファンデーションなどでも保湿成分がしっかり配合されているかどうかも確認しましょう。
3. 酒さは化粧品で治すことができる?
酒さは医師によっても診断が異なる疾患で、酒さに類似する酒さ用皮膚炎や脂漏性皮膚炎と間違えられることもあります。
また、1度の段階では毛細血管拡張症と診断されることも。
酒さは原因が明確に解明されていないため、治療方法が定まっていないというのが現状です。
あくまで化粧品は薬ではなく、化粧品なので、化粧品によって治る!とはっきりと言えるものはありません。
ですが、酒さ症状の方でも使用でき、症状の改善が見られている化粧品も少なからずあります。
そこで酒さの方におすすめの化粧品をご紹介します。
3-1. 酒さに効果的なおすすめの化粧品
酒さ症状の一つである赤ら顔をケアする化粧品で、2章でご紹介したポイント4つをおさえられている化粧品はわずか2つだけでした。
白漢しろ彩
赤みの原因である毛細血管にアプローチする成分配合の和漢植物エキス配合化粧水。
価格:5,600円(税抜)
内容量:100ml
無添加処方:アルコールフリー・パラベンフリー・フェノキシエタノールフリー・無香料・無着色・鉱物油フリー
赤みにアプローチする海洋性プランクトンエキス配合で、28日間連続使用した方の約86%が顔の赤みが軽減するという実証試験結果が出ている実力派化粧水です。
そのほか、赤みをケアする和漢植物エキスが4種配合されています。
独自開発の技術により、肌の構造と同じ「ラメラ構造」で作られているため、肌への浸透性が高く、また肌のバリア機能自体を高めてくれます。
ULU
肌のバリア機能を高め赤みをケアする5つのセラミド配合オールインワンミルク。
価格:4,500円(税抜)
内容量:110ml
無添加処方:界面活性剤フリー:シリコンフリー・ポリマーフリー・鉱物油フリー・無香料・無着色・石油系成分フリー
酒さや敏感肌の方が肌が赤くなる要因の一つとしてあげられる、肌のバリア機能の低下。そのバリア機能を担うセラミドを5種配合しているため、バリア機能を強化し赤みをケアする化粧品です。
特殊なマイナスイオン水をベースに作られているため、肌に浸透しやすいオールインワンミルクです。
4. まとめ
酒さ症状がある方が化粧品を使用できるかどうかは症状段階によって変わります。
ですが、何か化粧品を使用する場合などは必ずかかりつけの医師に相談してから判断しましょう。
原因が解明されていない慢性疾患のため、化粧品だけで治すということは非常に難しいため、化粧品でケアをしつつ、並行して治療を進めることが、酒さを治す近道です。
酒さを治す一つの方法として、日常的な化粧品を見直す参考にしてみてくださいね。
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