【医師監修】お酒の飲み過ぎが原因で赤ら顔?!肝臓と赤ら顔の関係性

【監修】三宅 真紀先生

ふと気がつけば赤ら顔に!

もしかすると、その赤みは肝臓からきているかもしれません。

そもそも肝臓は、500以上もの働きをする臓器で、主には、「栄養素の代謝」と「有害物質の分解」、「胆汁の生成」をしてくれています。

肝臓からくる赤ら顔の原因の一つとして考えられるアルコールの過剰摂取は、肝機能の低下を引き起こし、血行不良によって引き起こされる場合も。

また、アルコールなどの刺激物は毛細血管を拡張する作用があるため、それも要因になります。

それ以外にも、赤ら顔症状には深刻な病気が隠れているケースもあるので注意が必要です。

まずは、肝臓の働きから赤ら顔との関係性を知り、赤ら顔以外の症状が出ている場合はチェックをしていきましょう。

 

1. 肝臓と赤ら顔の関係性

肝臓の働きや役割を知り、その肝臓がどういった状態になると赤ら顔になるのかを解説します。

 

1-1. 肝臓の機能低下によって赤ら顔になることも

肝臓は、「沈黙の臓器」とも呼ばれて、手遅れになってからでないと明らかな痛みや違和感を覚えないことから、深刻な病気に気がつけないことも多いです。

したがって肝臓が原因で赤ら顔になっている場合は、深刻な病気などが隠れている可能性もありえますので、疑わしい場合は、病院へ行き診察を受けることをおすすめいたします。

しかし、病気などの症状以外でも肝機能が低下することで赤ら顔になる関連性はあります。この記事では考えられる2つの原因をご紹介。

 

肝機能低下による血流の滞り

アルコールの過剰摂取や食生活の乱れが続くと、肝臓はフル稼働し続ける状態になり、次第に肝機能が低下します。

そうなると体内の有害物質がうまく分解・排出されず血液の状態が悪くなります。これがいわゆるドロドロ血液です。

血液の状態が悪くなると血のめぐりが悪くなり、顔に回った血液がうまく降りてこずに顔がほてり、赤ら顔になるというわけです。

また、顔が赤くなるほどアルコール性肝硬変の可能性もありますので、日々のアルコール摂取量が多いのであれば、血液検査を受けて、肝機能をチェックしてみましょう。

 

アルコール過剰摂取による毛細血管の拡張

アルコールや刺激の強い香辛料などは毛細血管を広げるが作用があり、摂り過ぎると、血流が滞り血液が溜まりやすくなります。

これによって、皮膚が赤く見えるという状態が慢性化し赤ら顔になることも。

 

2.改善するには肝機能回復と血流を促す

2-1. 低下した肝機能を回復させる

休肝日、胃を休める

肝臓は、胃と密接につながっている臓器です。そのため、もともとは胃の機能が低下したために肝臓が過労状態となり、その疲れが目に見えてあらわれていると考えられます。

これが長引くと風邪をひきやすくなったり、唇が乾いてくるなどの連鎖反応を引き起こすこともあるので、まずは、消化に良い食べ物で胃を休めましょう。

 

水分をよく摂る

お水を飲みながらアルコールを飲むことで、体の中の濃くなったアルコール濃度を緩和してくれたり、二日酔い防止、飲み過ぎ防止にも繋がります。

また、前述の通りアルコール分解のために体内の水分を多く消費し、その分肝臓へも負担がかかるため、水分を取ることで薄まるため、負担も軽減されます。

それ以外にも、アルコールの利尿作用で体内の水分が排出され、体が脱水症状を起こしますので、アルコール摂取の際には一緒に水を飲むよう心がけましょう。

 

おつまみ選び

塩分・脂質・糖質の取りすぎは肝臓へ負担をかけます。

揚げ物や塩辛いもの、味の濃いものをついつい食べがちですが、ナッツ類、枝豆、サラダ、温野菜、湯豆腐、お鍋など、脂肪分が少ないものや、塩分が少ないものを選ぶように心がけましょう。

 

摂取すべき栄養素

体内でアルコールを分解する際には、タンパク質・ビタミン・ミネラルなどが消費されると言われているため、その消費されてしまう栄養素を摂取しながら飲酒をしましょう。

 

便秘を避ける

排便は体の要らないものを排出してくれる最大のデトックスです。

便秘になることによって、アンモニアが発生し、血液によって肝臓に運ばれ分解されます。

そのため、便秘になるとアンモニアの処理のために、肝臓に余計な負担がかかることになりますので、便秘にならないということも肝臓への負担を軽減します。

例えば、肉をよく食べる人は、お通じのトラブルが起こりやすいので注意が必要です。

肉を食べる時には、ジャガイモや大根などを一緒にとって、消化器官への負担を減らしましょう。

 

2-2. 滞った血流を促す

滞った血流を促すには、健康的な食事を心がけることも大切です。肌の内側からきれいにしてくれる食品を日常的に食べる習慣をつけることも肌質改善のひとつです。

 

血流を良くする食物

  • 納豆
  • 豆腐
  • 青魚
  • 甲殻類、貝類
  • 鶏肉
  • 海藻
  • トマト
  • ピーマン
  • 玉ねぎ
  • さつまいも

 

お酒の選び方を意識

ビール、焼酎の水割り、ハイボール、サワー、シャンパンなど冷たい飲み物を多く飲むと体が冷えます。

冷えは血行不良やお肌トラブルを招きますので、常温に近い日本酒やワインを選ぶのがおすすめ。

特に赤ワインは抗酸化成分のポリフェノールが入っているので美肌効果も期待でき、日本酒には抗酸化作用のフェルラ酸が入っていので、アンチエイジング効果も期待できます。

しかし、お肌にいいからと飲み過ぎるのではなく、あくまでも摂取量は適量にしましょう。

 

3. 赤ら顔以外の症状があったら他の原因かも

 

3-1. 肝臓の病気がもたらすおもな症状

肝臓の病気にかかってもすぐには症状がでにくいことで知られています。

症状のないことは、患者さんにとってよい反面、逆に知らないうちに肝臓の病気が進み、わかった時点ではかなり進行しているという場合もあります。

手遅れにならないよう、肝臓の病気のおもな症状を覚えておきましょう。

 

全身の倦怠感

疲れやだるさは人によって感じ方が異なりますが、急性肝炎になると、食欲不振、吐き気とともに強い倦怠感が現われます。

脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変などの慢性肝疾患のある人は、この倦怠感を訴えることが多く、この場合、肝機能の増悪をともなっている場合とそうでない場合があります。

 

☑黄疸

血液中にビリルビンという色素が増えている状態で、白目の部分、皮膚や粘膜が黄色くなってくる症状です。人によっては、尿の色が濃くなったり、便の色が灰白色になって黄疸に気づく場合もあります。

黄疸がおこるのは、急性肝炎、肝硬変などの肝臓の病気だけではありません。

胆石やがんによって胆汁の流れる道が塞がれてしまう閉塞性黄疸、溶血性貧血という血液の病気、生まれつき黄疸を示す体質性黄疸などさまざまな病気でおこってきます。

いずれにせよ、からだにとって危険な信号なので黄疸が現われたら速やかに医療機関を受診しましょう。

 

☑手掌紅斑(しゅしょうこうはん)

手のひらの親指や小指のつけ根のふくらんだ部分が異常に赤くなり、点状の赤い斑点が散在しているもので、慢性肝障害の人によくみられます。

 

☑クモ状血管腫

肝硬変の人は、前胸部、首、肩、腕に赤く隆起した斑点がみられます。これは小動脈の血管が拡張しているためで、よくみると赤い隆起を中心に毛細血管が放射状に浮き出ています。

中心の赤い隆起部分を押すと周囲の毛細血管は消えますが、離すとまた現われる特徴があります。

 

☑女性化乳房

肝硬変の男性では、乳房が女性のように大きくなることがあります。

押すと痛みがあり、中にしこりを触れることがあります。これは肝硬変によって肝臓での女性ホルモンの分解力が低下し、女性ホルモンが血液中に増加するためと考えられています。

 

☑腹水、むくみ

肝硬変になると、尿の出が悪くなり、下肢がむくんだり、腹部に水が溜まってカエルの腹のようにふくれる腹水になることも。

これらの症状は、進行した肝硬変で、肝機能がかなり障害されている場合にみられます。しかも腹水の溜まり始めは気づかないことが多いため、体重の増加には注意が必要です。

 

☑吐血

肝硬変の人が、突然血を吐くことがあります。

吐血の原因としては、食道の粘膜にできる食道静脈瘤、胃、十二指腸潰瘍、出血性胃炎などがあげられますが、肝硬変による吐血は血が止まりにくく、とくに食道静脈瘤の破裂は大量に出血して死に至ることがあります。

吐血した場合はすぐに医療機関を受診しなければなりません。

 

☑肝性脳症(かんせいのうしょう)

進行した肝硬変や劇症肝炎などの重症の肝障害では、血液中のアンモニアが上昇し、肝性脳症といわれる意識障害をひきおこすようになります。

症状は、進行の程度によりさまざまですが、精神活動が鈍くなり、徘徊、尿や便の失禁、異常な言動などがみられます。

このような人には、手首が羽ばたくように震える羽ばたき振戦、芳香性の独特の口臭があります。

 

4. まとめ

赤ら顔の原因が肝臓からきているのでは?と疑いを感じている方は、おそらく日頃からアルコールの過剰摂取など思い当たる節があるかと思います。

アルコールは適量を嗜むのは良いですが、過剰摂取によって肝機能低下や毛細血管拡張を引き起こし、赤ら顔になることもあります。

また、アルコールの過剰摂取は肝臓に負担がかかり、放っておくと肝硬変や慢性肝炎などの病気になることもあります。

痛みなどの症状に気がついた時には手遅れになっていたなんてことにならないように、ぜひ今の飲酒量や食生活を見直してみましょう。

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【監修者】三宅 真紀先生

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