鼻や頬の毛細血管が透けて見えていて、赤ら顔になっていませんか?
通常は見えないはずの毛細血管が透けて見えているのであれば、もしかすると【毛細血管拡張症】しれません。
毛細血管拡張症は原因が解明されていない疾患で、顔面によく見られる「赤ら顔」と称される軽症のものに対してまで幅広く用いられ、別名「末梢血管拡張症」ともいわれています。
考えられている原因は主に5つあり、何が要因で毛細血管が拡張してしまったのかを考えることも大切です。
そこで毛細血管拡張症の原因から対策・治療についてご紹介します。
目次
1. 顔の毛細血管が透けて見える原因は?
ここでは毛細血管が透けて見える原因として考えられる可能性が高い【毛細血管拡張症】についてご紹介します。
1-1. 毛細血管が透けて見える毛細血管拡張症とは?
鼻や頬あたりの毛細血管が透けて見えている場合は、毛細血管拡張症の可能性があります。
毛細血管拡張症とは、毛細血管が拡張した状態のままが何らかの原因でそのままになってしまい、血流が増加し、それによって血流が滞ってしまい肌の上で透けて見えてしまっている症状です。
特に頬や鼻などに、症状が現れやすいと言われます。
1-2. 毛細血管拡張症の原因
毛細血管拡張症の原因は残念ながら明確にはわかっていないのが現状です。
ですが、原因として考えられている要因は5つあります。
皮膚が薄く、毛細血管が透けて見える
過度なスキンケアや摩擦、または加齢によって引き起こされる菲薄化など皮膚が薄くなっている状態は毛細血管が透けて見えてしまう事があります。
皮膚の二層目にあたる真皮には毛細血管が密集しています。
毛細血管は通常、皮膚の表面からは見えませんが、皮膚最上部の表皮が薄いと透けて見えるため、赤く見えてしまうのです。
特に頬は腹部の5倍近く毛細血管が集中しているため、火照りやすく、赤さが目立つ部位です。
自律神経の乱れ
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経から成り立っています。
「交感神経」と逆の働きを持っている「副交感神経」はリラックスしている時や眠っている時などに働きます。
この2つの神経は交互に働いていて、昼間は交感神経が働いて活動しやすい状態にし、夜は副交感神経が働いて昼間の活動での疲労やダメージを回復するといったように、それぞれの役割を担っています。
睡眠不足や、ストレスや緊張状態が長時間続き、副交感神経が働く時間が短くなれば、体が十分に回復できず、疲れが取れない、体が重たい、目覚めが悪いなど様々な不調が現れてきます。
そしてそれらが原因で、交感神経が働き続けることで、血管が拡張したままになってしまうのです。
気温の寒暖差による血管の拡張
皮膚内の毛細血管は、屋外の温度差に合わせて主に自律神経によってコントロールされ、血管を拡張したり伸縮させて体温を維持しています。
屋内と屋外の温度差が大きい時は、毛細血管は拡張伸縮を頻繁に行っていますが、自律神経が過敏になると、少しの刺激でも毛細血管は拡張し、血流が停滞してうっ血した状態になり、赤ら顔の状態になってしまいます。
そのため、暖かい屋内から冷たい風が吹く寒い屋外へ出た場合は、やはり自律神経の作用で体温の低下を防ぐために、直接冷たい外気に触れる顔の頬の血管が拡張するので、毛細血管が透けて見えるようになります。
アルコールや香辛料など刺激物の過剰摂取
毛細血管拡張は、身体に刺激を与える刺激物の過剰摂取が原因とも考えられています。
刺激物というのは、例えば「アルコール・タバコ・コーヒーや紅茶などのカフェイン・香辛料・酸味の強いもの・塩分の高いもの」などがあげられます。
特にアルコールは毛細血管を拡張する作用があるため、毎日アルコールを摂取している人は症状が悪化しやすい可能性があります。
ニキビの炎症で周りの皮膚がうっ血(血がたまる)
炎症を伴う赤ニキビができると、ニキビのある周辺の皮膚がうっ血し赤くなります。
炎症は血管が拡張されているので、ニキビが治れば赤みも自然と消えていくようになっているのですが、そのニキビが治らないうちにさらに新たなニキビができると、ニキビの炎症が続いてしまうことも少なくありません。
慢性的に赤ニキビができる状態が続くと、真皮や皮膚に赤く色素沈着し、結果的に赤ら顔になることも多いです。
1-3. その他毛細血管が拡張する原因「ステロイドの副作用」
毛細血管の拡張はステロイドの副作用によっても引き起こされるようです。
ステロイドは医師の指示のもと正しい使用用法・用量で使用する分には効果的な治療方法ですが、長期的に使用する事で毛細血管拡張症のような症状が出ることや、酒さ様皮膚炎などの副作用が出る場合もあります。
2. 毛細血管拡張症の対策と治療
自分でできるセルフケアでの対策と皮膚科などの専門医療機関での治療方法についてご紹介します。
2-1. セルフケアでの対策
皮膚の外的刺激を少なくする
皮膚が薄く、毛細血管が透けて見える場合は、摩擦などの外的刺激に弱く、影響を受けやすい肌状態です。そのため、日頃のスキンケアでも刺激を与えないようにケアをすることがとても大切になります。
【洗顔】
- メイクを落とすときは肌に負担の少ないミルククレンジングを使用する
- 摩擦を与えないように優しく、スクラブなどの使用は控える
- 洗顔時は熱いお湯ではなく、少しぬるいと感じる32度くらいのぬるま湯で
【保湿】
- 肌が薄いとバリア機能が低下しがちなので、セラミド配合のスキンケアがおすすめ
- 肌質が敏感であれば、敏感肌用の低刺激処方のスキンケアを使用する
- 保湿をしながら毛細血管をケアするスキンケアを使用する
自律神経を整える
ストレスや緊張で血流が滞っている場合は自律神経を整えることを意識してみましょう。
例えば生活の中に取り入れ易い簡単な対処法として腹式呼吸をオススメです。
また、リラックスしているときや眠っている間は、副交感神経を優位になるので、意識的にリラックスタイムを設けたり、十分な睡眠時間を確保することも大切です。
なるべく寒暖差を少なくする
寒暖差の激しい屋内と屋外を行き来する事で、皮膚の温度を調節する自立神経が疲れ、毛細血管が拡張したままになりやすい傾向があります。
真冬の外出時は、顔を極端に冷やさないようマフラーで顔を覆い、できるだけ顔を冷やさないように。
真夏は屋内の空調を冷やしすぎず、なるべく屋外との温度差が大きく出ないように気をつけましょう。
刺激物を控える(アルコール・タバコ・カフェインなど)
アルコールなどの刺激物は毛細血管を拡張する作用があるため、控えるようにしましょう。
毛細血管拡張症を治すことを最優先するのであれば、「断酒」「禁煙」し、その他カフェインや香辛料やできるだけ控え、摂るのであれば、週1程度に抑えるようすることをおすすめします。
赤ニキビをケアする
赤ニキビをケアするには、まずニキビの炎症を抑えましょう。ニキビの炎症を抑える市販薬を使用しながら、スキンケアにも気をつける必要があります。
刺激を与えることで悪化させてしまうこともあるので、洗顔料などもスクラブなどの粒剤入りのものの使用は避けましょう。
2-2. 専門医療機関で治療する
セルフケアで対策しても一向に改善されない、または悪化している場合などは皮膚科などの専門医療機関で治療することをおすすめします。
一般皮膚科と美容皮膚科では治療内容が異なるため、一度どちらも受診し自身にあった治療方法を見つけるのがいいでしょう。
一般皮膚科での治療方法
【漢方薬】
漢方薬は体質にさえ合えば、体質の改善や自然治癒力を高めていくことで、慢性的な症状を緩和して体調を整える事ができます。
【抗生物質】
ニキビの炎症で皮膚がうっ血している場合は、処方される事があるようです。
美容皮膚科での治療方法
【レーザー治療】
レーザー治療とは、特殊な装置を使って、特定の波長の光を発生させ、それを患部に照射する治療法のことです。
レーザーには種類がありますが、毛細血管拡張症の場合は、血液のヘモグロビンに反応するものを使い、毛細血管を凝固、収縮させて、赤みを消します。
【光治療】
光治療では、IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な波長の光を使用しています。
これは、複数の波長が含まれているもので、シミ・そばかす・ニキビ跡・毛穴・小じわ・赤み・ハリなどを同時に改善することができます。
【硬化療法】
レーザー治療などでは難しい太い血管に行う事が多い治療方法です。硬化剤を注射した後、皮膚の上から圧迫し、血管の内側を接着させて患部の静脈を閉塞させます。
3. まとめ
顔の毛細血管が透けて見えているのは、毛細血管拡張症である可能性が高いです。
毛細血管拡張症は原因が明確にはわかっていない疾患ですが、考えられる原因それぞれに対策・治療していくことで改善していく事ができます。
症状が軽症であれば、まずはセルフケアで対策し、症状が重症であったり、悪化していっている場合は専門医療機関で治療していきましょう。
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